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虫歯の進行度を表す「C」の意味

2020年06月16日

歯科健診を受けた時に、歯医者さんが歯を見ながら「C1、C0」などと言っているのを聞いたことはありますよね。ではこの「C」にはどういう意味があるのかをご存知でしょうか?「C」はカリエスという単語の頭文字で、「虫歯」を表現しています。これが数字と組み合わさり虫歯の進行具合を表現しているのですね。歯科衛生士を目指す上では基本的な知識となりますので是非覚えておきましょう。

数字ごとに虫歯の進行具合を覚えよう

虫歯進行度は数字ごとで以下のように表現します。

#CO:白濁もしくは着色のある要観察歯

これはまだ歯に穴ができる前の段階です。まだ症状は無いため、普段の歯磨きに気を付けながら、フッ素やキシリトールを使用することで健康な状態に戻すことができます。

#C1:エナメル質が脱灰した初期の虫歯

歯の表面に小さな穴がある状態です。穴の部分が茶色や黒っぽく変色して見えるようになります。しかしエナメル質には知覚が無いため、この段階では痛みがありません。歯磨きをしっかり行った上で経過観察をすることが一般的です。もし治療になっても痛みは感じないため、麻酔は使用しません。治療する場合は詰め物で補うのが一般的です。

#C2:象牙質まで進行した虫歯

エナメル質の内部にある象牙質まで進行している状態です。象牙質は痛みを感じる部分なので、冷たいものや熱いものが歯にしみるようになります。象牙質は柔らかいので虫歯の進行が早いです。そのため早めの治療が必要になります。

#C3:歯髄まで進行した虫歯

象牙質の先の歯髄や血管にまで進行している状態です。神経に達しているので何もしていなくても激しい痛みを伴う場合が多く、ここまで来ると治療が長期化します。激痛によって神経が死ぬと一度痛みが無くなりますが、今度は歯茎にまで炎症が広まるので早急に治療しなくてはいけません。虫歯に侵された部分を取り除き、被せ物をすることで失った歯の機能を補うという治療を行います。炎症がひどいと麻酔が効かない場合もあるので要注意です。

#C4:歯の根だけが残った状態

歯の根っこまで虫歯に侵された状態です。C3の状態で神経が死ぬと一旦痛みが無くなりますが、そのあと膿がたまり再び激しく痛むようになります。この状態で歯を残すことはほぼ無理なので抜歯をすることが多いです。ただし抜歯をしても終わりではなく、噛み合わせの問題なども起きるため何度か治療しなくてはいけません。

根管治療によって抜歯しなくても済むケースもある

虫歯進行度がC4まで達すると、ほとんどの場合で抜歯が必要です。しかし、C3で神経に到達しているだけの状態なら根管治療によって抜歯せずに済む場合もあります。根管治療とは、汚染された神経や血管を洗浄し詰め物をすることで根管内の無菌化を行うことです。根管は複雑な構造をしているため、一回で治療が終わることはあまりありません。完全に除菌できるまでは根気よく治療する必要があるでしょう。途中で投げ出さず、最後までしっかり治療することが大切です。

根管治療の大変な部分は、痛みを伴う場合があるという点です。根管治療は神経に触れる作業であるため、場合によってはかなり痛むことも考えられます。治療後であっても炎症が起き腫れや痛みを伴うことがあるので、何度も治療するのは根気のいる作業です。だからといって途中で投げ出してしまうと再発する恐れもあります。また何度も通院しているうちに、痛みが無くなったということで治療しなくなる患者さんもいるそうです。しかし根管治療をしている時点で抜歯するかどうかの瀬戸際であるため、痛みが無くなっても完全に治療が終わるまでは油断してはいけません。

重症化する前に日頃からしっかり歯のケアをすることが大切

このように、虫歯進行度が高まるほど治療は大変になっていきます。特に根管治療になると時間もお金もかかりますし、何より痛みを伴うのでできれば避けたいですよね。そのためには日頃から歯のケアを行うことが大切です。食べたらきちんと歯を磨き、その時も適当にやるのではなく、見えない部分を磨くことや力加減を意識したりして、常に歯を綺麗に保つ意識を持ちましょう。もし多少虫歯ができても、C1状態までであれば日頃の歯磨きで改善できます。

歯科衛生士を目指す方は、こうした虫歯の進行具合に関する知識はもちろん、歯磨きなど日頃のケアに関する情報も知っておくことが大切です。場合によっては患者さんとのやり取りの中で、こうした予防策を教える機会があるかもしれません。その時に情報として持っておくだけでなく、日頃から自分自身の歯で実践しておくとさらに良いでしょう。歯は普段の食事などで日常的に使う大切な部分です。歯科衛生士は、その大切な部分の苦痛を患者さんから取り除くためのサポートをしているのだ、という意識を常に持ちましょう。

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