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歯科衛生士が行ってはいけない治療・仕事

2020年06月17日

歯医者で働く職業と言えば、歯科医師・歯科衛生士・歯科助手などの仕事がありますが、中でも歯科医師・歯科衛生士は国家資格であり、それぞれできる業務の範囲が決められています。そして、業務範囲を超えて、歯科衛生士が本来歯科医師にしかできない仕事をしてしまうと、歯科衛生士法に反するとして罰されてしまいます。そこで歯科衛生士法を守って働くためにも、歯科衛生士が行ってはいけない治療・仕事を確認しましょう。

歯科医師が行う手技は基本的にNG

歯科衛生士ができる仕事は大きく分けると歯科予防処置・歯科診療補助・歯科保健指導の3つです。具体的には歯科医師が行う治療のサポートに加えて、患者さんの歯やお口の中の健康を維持するための歯磨き指導などのアドバイスや歯石除去などの施術が挙げられます。このように、歯科衛生士は患者さんの歯の健康をサポートするのが仕事と言えるでしょう。歯科助手と業務範囲が似ていると思う人もいるかもしれませんが、歯科衛生士は患者さんの口内に直接触れて施術をすることが許可されており、それに対して歯科助手は口内に触れて施術ができないという点がこの2つの仕事の大きな違いと言えます。

ただ、歯科衛生士の仕事はあくまで患者さんの歯の健康のサポートと歯科医師の治療のサポートです。そのため、本来歯科医師が行う業務を歯科衛生士が行うということはできません。歯の神経や歯を抜いたり、歯を削ったりする業務を万が一歯科衛生士が行うと歯科衛生士法に反するとして罰せられます。

絶対的歯科医行為と相対的歯科医行為とは

歯科医師が行う業務には絶対的歯科医行為と相対的歯科医行為の2種類があります。絶対的歯科医行為は歯科医しか行ってはいけない行為、相対的歯科医行為は歯科医師の監視下であれば歯科衛生士も行って良い行為のことを言います。絶対的歯科医行為には先ほど挙げた歯・神経を抜く、歯を削るなどといった治療法に加えて、歯に詰め物を詰める、歯石除去以外の目的で行われる注射、被せものを歯に着ける、レントゲン撮影などといった行為が当てはまります。

相対的歯科医行為に関しては、表面麻酔薬の添付、歯石除去、ホワイトニングなどといった業務が当てはまりますが、先ほど解説したように、これらの業務は医師の監視下で行うことが重要であり、万が一単独で行った場合は歯科衛生士法に反することとなります。また、相対的歯科医行為の項目はかなり多く、しかも歯科衛生士の経験や能力によってできる業務も異なり、難易度が高いインレーの咬合調整などは経験値が高い歯科衛生士しかできないことから注意しましょう。

過去に歯科医師がいない時に歯科衛生士がレントゲン撮影や治療を行ったことで、歯科医師法・歯科衛生士法・放射線技師法に違反したとして、歯科医師・歯科衛生士が逮捕されたという事件も発生しました。歯科医師や歯科衛生士は年々減少傾向にあり、本来歯科衛生士が行ってはいけない業務を任せているクリニックも存在するのが現状です。しかし、歯科衛生士は雇用される立場なので、医師から任された業務を断ることで職場に居づらくなるなどといったリスクもあります。

そのため、絶対的歯科医行為に当てはまったり、歯科医師が不在の状態で相対的歯科医行為を行わなければいけなかったりする状況になってもなかなか断ることができないという人も多いです。それに、そもそも歯科医師と歯科衛生士の業務範囲の違いをしっかり把握しきれていないという人もいます。しかし、法律に反する行為をはっきり断れなかったり、そもそも法律違反であることを知らなかったりすると、この事件のように逮捕に繋がってしまうだけでなく、歯科衛生士資格のはく奪や業務停止処分にも繋がってしまいます。そのため、歯科衛生士として働くにあたっては歯科衛生士の業務範囲をしっかり把握することが重要です。

相対的歯科医行為を行うにあたってレベルに関してはどのように判断する?

相対的歯科医行為には様々な業務が当てはまり、歯科衛生士の業務経験や能力に応じてできることが変わると解説しました。この歯科衛生士のスキルの習熟度はどのように判断するのでしょうか。この判断方法に関しては、歯科衛生士が試験を受験するなどしてレベル分けをするのではなく、歯科医師が歯科衛生士が普段働いている様子から知識や技能を判断して任せることとなっています。

どの歯科クリニックでも、熟練度や歯科衛生士の経験年数などに応じて任せることができる業務が記載された院内業務基準書が用意されているのが一般的です。基本的に就職・転職する際に院内業務基準書に関する説明はあるので、働き始める前にしっかり院内業務基準書に記載されている内容を確認したうえで業務を行いましょう。

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